いとおしい言葉。
「いとおしい」
最近、付き合っている人がこの言葉で私に対する気持ちを形容するようになった。
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彼の名はkくん。
高校時代から付き合っていて、実質同棲中だ。
彼はおしゃべりだけど、言葉で伝えるのが得意なタイプではない。
といっても教養がないわけではないし、言葉は知っている。
ただ、そのときの気持ちにぴったりの言葉で表す術を得る機会に、そんなに恵まれてこなかったんだなっていう不器用さを感じるときがある。
だから私は、彼がいわんとしていることを言葉以外から全力で感じなきゃいけない。
そして、たまに「それは、こういうこと?」と言葉で彼が解放できるように手助けすることがある。
言葉にしないと伝わらないよっていうことを、よく聞く。
たしかに、言葉にしないとわからないことってたくさんある。
私も、彼の足りない言葉の意図がわからないときや考える余裕がないとき、誤解して(あるいは誤解と薄々気づいているけどちゃんとした言葉で伝えてほしくて)けんかになることがよくある。
できるだけ言葉で、選び抜いたその人だけの言葉で伝えてほしいと思う。
そういう本気の言葉たちが好き。
大好き。
言葉を操れる人を尊敬する。
でも、私たちは、母の愛情を言葉だけで感じていたのだろうか。
言葉にしなくても伝わることもある。
これも事実。
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「いとおしい」
最近、彼がこの言葉で私に対する気持ちを形容するようになった。
知ってるよ、前から。
伝わってたよ。
そうだよね、その触れ方は、その眼差しは、
いとおしいだよね。
ぴったりだよ。